セミナー・シンポジウム

HiSORセミナー

アルツハイマー病を引き起こすタンパク質凝集体の分子動力学シミュレーション

日時 2019年11月21日 (木) 16:00-
場所 放射光科学研究センター 2階 セミナー室
講師 奥村久士
(自然科学研究機構 生命創成探究センター、分子科学研究所、総合研究大学院大学)

タンパク質は濃度が高くなると凝集し、オリゴマーという球状の物質やアミロイド線維という針状の物質を形成することがある。これらのタンパク質凝集体は40 種類以上の病気の原因であり、例えばアルツハイマー病はアミロイドβペプチドが凝集してできたオリゴマーやアミロイド線維が脳に蓄積することが原因と考えられている。我々はこれまで分子動力学シミュレーションにより、オリゴマーの形成過程[1,2,3]やアミロイド線維の構造と揺らぎ[4]、アミロイド線維の破壊過程[5]などを明らかにしてきた。本セミナーではこれらの構造変化メカニズムを論ずる。

[1] S. G. Itoh and H. Okumura: J. Phys. Chem. B 118 (2014) 11428-11436.
[2] S. G. Itoh and H. Okumura: J. Phys. Chem. B 120 (2016) 6555-6561.
[3] S. G. Itoh, M. Yagi-Utsumi, K. Kato, and H. Okumura: J. Phys. Chem. B 123 (2019) 160-169.
[4] H. Okumura and S. G. Itoh: Sci. Rep. 6 (2016) 38422 (9 pages).
[5] H. Okumura and S. G. Itoh: J. Am. Chem. Soc. 136 (2014) 10549-10552.

問合せ先 松尾光一(放射光科学研究センター)